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vol.21 変わらない形状と役目、変化した位置付けと役割

掲載コラム(Wink)

2021年の今年は、僕にとって眼鏡の仕事に就いて丸30年という節目の年でした。
今から30年前の1991年(バブルの最後の年)頃の眼鏡は、まだまだ実用品の域を越えておらず、デザインや価格について選択の幅が狭かった時代です。よって、「眼鏡=年配者」というイメージは否めませんでした。若年層に今ほど近視の人が多くなかったというのもあると思います。
そこから10年ほど経つとコンタクトレンズが普及し、ますます眼鏡が敬遠される時代に突入かと思われましたが、眼鏡のデザイン性が優れ、手の届きやすい価格のチェーン店が次々と出店してきましたので、若年層にも眼鏡が身近な存在に。
女性はまだまだコンタクトレンズ派が多かったのですが、男性はアクセサリー的な感覚で眼鏡を掛け始めた頃で、デザインもやや派手めで、カラーレンズも流行りました。
そして更に10年ほどが経ち、「メガネ女子」の到来です。この辺りから「眼鏡=おしゃれ」が世間全体に浸透していきました。クラシック眼鏡を元にしたデザインが主流になった事により、性別、年代にとらわれず、デザインの汎用性が非常に高くなりました。伊達で掛けるほど、眼鏡のファッション的な位置付けも高くなりました。
ここ30年で眼鏡はただ目が悪いから掛けていた物から、自分を上げるアイテムのひとつへと変化していったように思います。
しかし、レンズ2枚にテンプル2本という根本の形、そして低下してしまった視力を矯正する、それだけは今までも、そしてこれからもずっと変わらないのだと思います。令和3年Wink12月号掲載

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