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vol.31〝熟練の手と革新の手〟あわせて不易流行の眼鏡産業に

掲載コラム(Wink)

今回の展示会は大阪へ行き、その足で福井県鯖江市の工場見学にも行って参りました(前回のコラムで福井に触れ、今年絶対行くぞーって決めていました)。北陸新幹線は延伸しましたが、西から行く分にはちょっと不便になってしまった感‥。
まぁそれはそれとして、まず今回の見学で驚いた事は、そこの工場ではスタッフ全員が設置されている機械のプログラミングができる上、切削から磨きまでひと通りの工程が出来るという事でした。眼鏡づくりは基本分業制ですが、若き社長が守るべき伝統は守りつつ新しい風穴を開け、業界を発展させていく様子が伺えました。眼鏡が一貫の工場でできると、修正がしやすく、納期も短縮でき、メーカーやデザイナーとの意思疎通がしやすいといったメリットが生れます。そして、さらに驚きなのがそこで働くスタッフの平均年齢がなんと30歳!眼鏡づくりに従事する若い人がこんなにもいる事に喜びと衝撃を受けました。
そして次に案内してもらった工場では、手作業でしか成し得ない、七宝塗りの工程を見せて頂きました。注射器のようなもので、1本1本慎重に塗り重ねて完成させます。思わず、こちらの呼吸も止めて見てしまうほど繊細な作業でした。七宝を塗られ、そこに並べられた眼鏡は、どこか厳かで誇らしげにも見えました。今回久々に職人の手仕事を直接見聞きし、商品ひとつひとつに魂がこもっている事を改めて実感しました。
「眼鏡という商品を通してそれを伝える」、それが僕の仕事だと再認識した福井の旅でした。令和6年Wink6月号掲載

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