vol.28 おしゃれって人を選ぶもの？いいえ、人が選ぶもの

おしゃれって不思議で、定義もカタチもないけれど世間にちゃんと伝わり、認められるもの。人はどういうときに“オシャレ”と感じるのだろうと考える事があります。
洗練された、高級感、トレンド性…おしゃれの要素は複合的です。加えて今は多様化なうえに情報過多で、一昔前のように確固たる流行がないので、“その人のセンス頼み”になりがち。よって余計にわかりづらくなっていますよね。
でも、眼鏡のおしゃれが他のファッションとちょっと違うのが「似合っていないことには始まらない」というところ。
だから僕は、おしゃれな眼鏡という言葉はあまり使いません。実際に、トレンドのおしゃれな眼鏡は存在しますが、そのおしゃれ(であるはずの)眼鏡はかける人によって全然違うからです。
シンプルな装いでも、その人によく合う眼鏡を掛けるだけでたちまちおしゃれになりませんか？眼鏡のファッションに対する貢献度は高いものです。ゆえにその人の雰囲気にちゃんと合わせないとしっくりこないのも眼鏡ならではです。
デザインが気に入った眼鏡が必ずや自分に似合うとも限らず、逆に自分では選ばないような眼鏡が掛けてぴったりだと人はそちらを選ぶでしょう。
身に着けているとウキウキする、生活の活力・癒しになる、褒められ、認められる。人がおしゃれを求めるその先にはこれらがあるのではないでしょうか。
おしゃれとは、自己の満足と客観的評価の両方があって初めて成立し、そしてそれを考え続けられる人がおしゃれでい続けられるのでしょうね。令和5年Wink9月号掲載